「たばこを吸うか、やめるか」という二者択一を超えた新たな選択肢
これまで、たばこの健康リスクを低減する方法については、「たばこを吸うか、やめるか」という二者択一の考え方が主流でした。しかし近年では、「たばこハームリダクション」という考え方が注目されつつあります。
「ハームリダクション」とは”害の低減”を意味し、公衆衛生の分野で広く用いられている考え方です。リスクを伴う行動を完全にやめることが難しい場合に、その影響をできる限り小さくするための方法を探るアプローチを指します。
この考え方は、日常生活にも広く応用されています。例えば、紫外線による影響を抑える日焼け止めや、交通事故時の被害を軽減するシートベルトの着用などが、その代表例として挙げられます。
当社は、禁煙が最善の選択肢であることを十分に認識しています。その一方で、紙巻たばこを吸い続ける喫煙者に対しては、スモークレス代替製品への切り替えを後押しすることで、喫煙に伴う健康への影響をできる限り抑えること目指しています。こうした「たばこハームリダクション」の考え方は重要であると考えています。
当社は「たばこハームリダクション」の考え方に基づき、紙巻たばこと比べて健康リスク低減の可能性があるスモークレス製品への切り替えを推進するため、さまざまな関係者との共創に取り組んでいます。
また、当社の加熱式たばこやオーラルたばこなどのスモークレス製品は、紙巻たばこに比べて有害性物質の排出量が大幅に低減(90~99%)されることが科学的に示されています*†。こうした科学的知見に基づいた「たばこハームリダクション」の考え方は、英国、スウェーデン、ニュージーランドなどの公衆衛生政策にも取り入れられています。
世界各国の政府機関や研究機関から、たばこハームリダクションの考え方やスモークレス製品aに関する研究・見解が発表されています。
公衆衛生局(英国・2018年¹)
「加熱式たばこは、紙巻たばこの煙と比較して、使用者や周囲の人が吸い込む、または曝露する粒子状物質や、有害または潜在的に有害な化合物の量が少ない可能性がある。」
食品・消費者製品および環境中の化学物質の毒性に関する委員会(英国・2020年²)
「紙巻たばこの代替として、適切な製造基準に従って製造されたスモークレス製品を、推奨される方法で使用することは、健康への悪影響のリスク低減につながる可能性が高い。」
依存症・メンタルヘルスセンター(カナダ・2021年³)
「オーラルたばこや加熱式たばこなどの非燃焼式たばこの使用は、一酸化炭素などの有害な燃焼由来化学物質への曝露リスクの低減につながる可能性がありる。さらに、ニコチン代替療法や電子たばこなど、たばこ葉を含まない製品への切り替えにより、リスクをさらに低減できる可能性がある。」
王立内科医協会(英国・2024年⁴)
「ニコチンを含む製品には、紙巻たばこ、スモークレス製品、オーラルたばこなどがある。各製品の使用により、化学物質に曝露する可能性があるが、その有害性には幅があり、紙巻たばこが最も有害で、医薬用ニコチン製品が最も低いとされている。電子たばこおよびオーラルたばこは、この有害性の範囲の中でも下位に位置する可能性が高い。」
BMJ発行『Tobacco Control』誌掲載論文(英国・2019年⁵)
「加熱式たばこは、使用者や周囲の人々を有害性物質にさらす可能性がありますが、その曝露レベルは紙巻たばこと比べて大幅に低いとされています。」
国立公衆衛生・環境研究所(オランダ・2020年⁶)
「総合的に見ると、紙巻たばこの代替として加熱式たばこ製品を使用することにより、がんで死亡する喫煙者の一部において寿命が大幅に延伸する可能性がある、という結論には妥当性があると考えられる。」
既存の喫煙者に対してスモークレス製品への完全移行を促す政策を導入した海外の事例では、社会全体の喫煙率の低下が報告されています。また一部の国では、たばこ関連疾患による死亡率低下との関連も示唆されています。
スウェーデン、英国、ニュージーランド、カナダでは、紙巻たばこの喫煙率が他国と比べて速いペースで低下しています。その背景には、スモークレス製品に関する科学的知見への理解が進んでいることや、喫煙者がスモークレス製品へアクセスしやすい政策環境が整備されてきたことがあります。
スウェーデンでは、世界保健機構(WHO)が定める「喫煙率5%未満」のスモークフリー社会の実現が目前となっており、欧州連合(EU)が2040年までの達成目標として掲げる水準を大きく前倒しする形となっています。また、こうした政策のもと、同国ではたばこ関連疾患による死亡率は、EU中央値と比較して全体的に大幅に低い水準にあることが示されています。
| スウェーデン | EU平均 | |
|---|---|---|
| 肺がん死亡率 | 87 件 | 220 件 |
| その他のがん | 63 件 | 105 件 |
| 心血管疾患(CVD) | 72 件 | 170 件 |
2023年、紙巻たばこからの切り替えを奨励し、100万人の喫煙者に対してベイプ(電子たばこ)のスターターキットを無料で配布⁸
2023年、紙巻たばこからの切り替えを奨励し、100万人の喫煙者に対してベイプ(電子たばこ)のスターターキットを無料で配布⁸
FDAが定める基準に基づき、紙巻たばこと比較して健康リスクが低い可能性がある製品の税率を50%または25%軽減できる制度を、2020年7月に導入¹¹
*紙巻たばこから完全に切り替えた場合を想定し、さまざまな研究結果をもとに総合的に比較・評価しています。これらの製品にリスクや依存性がないことを意味するものではありません。
†米国で販売されている当社製品(Vuse、Velo、Grizzly、Kodiak、Camel Snus など)は FDA(米国食品医薬品局)の規制対象です。当局の承認がない限り、リスク低減に関する表示は行いません。
aスモークレス:ベイプ製品や加熱式製品、モダンオーラルやオーラルたばこなどの非燃焼式製品を指します。
1 英国政府(Public Health England)(2018) 「電子たばこおよび加熱式たばこ製品:エビデンスレビュー(エグゼクティブサマリー)」 https://www.gov.uk/government/publications/e-cigarettes-and-heated-tobacco-products-evidence-review/evidence-review-of-e-cigarettes-and-heated-tobacco-products-2018-executive-summary (アクセス日:2026年3月27日)
2 英国食品基準庁(Committee on Toxicity of Chemicals in Food, Consumer Products and the Environment)「ニコチン無煙製品に関する声明(2020年)」 https://cot.food.gov.uk/sites/default/files/2020-09/COT%20E(N)NDS%20statement%202020-04.pdf (アクセス日:2026年3月27日)
3 依存症およびメンタルヘルスセンター(Centre for Addiction and Mental Health) 「スモークレス製品に関するクイックガイド」 https://intrepidlab.ca/en/Documents/Quick%20Tips.pdf (アクセス日:2026年3月27日)
4 英国王立内科医協会(Royal College of Physicians) 「電子たばことハームリダクションに関するエグゼクティブサマリー」 https://www.rcp.ac.uk/media/t5akldci/e-cigarettes-and-harm-reduction_executive-summary_0_0.pdf (アクセス日:2026年3月27日)
5 BMJ Tobacco Control 「Tobacco Control 誌掲載論文(2019)」 https://tobaccocontrol.bmj.com/content/28/5/582 (アクセス日:2026年3月27日)
6 Slob, et al. (2020). “Article published in Risk Analysis.” https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/risa.13482 (アクセス日:2026年3月27日)
7 Smoke Free Sweden(2023)“Smoke Free Factsheet” Smoke Free Sweden. Smoke Free Factsheet JP.:https://smokefreesweden.org/wp-content/themes/smokefreesweden/assets/pdf/factsheets/SmokeFree%20Factsheet%20JP.pdf (アクセス日:2026年3月27日)
8 英国政府(GOV.UK) 「喫煙者に対し、世界初の取り組みとして紙巻たばこから電子たばこへの切り替えを促す施策」 Smokers urged to swap cigarettes for vapes in world first scheme https://www.gov.uk/government/news/smokers-urged-to-swap-cigarettes-for-vapes-in-world-first-scheme (アクセス日:2026年3月27日)
9 ニュージーランド保健省(Ministry of Health of New Zealand) “Vaping to Quit Smoking” https://www.health.govt.nz/your-health/healthy-living/addictions/smoking/vaping-quit-smoking (アクセス日:2026年3月27日)
10 ニュージーランド保健省(Ministry of Health of New Zealand) 「加熱式たばこ製品の物品税削減に関する内閣資料(2024年7月)」 Reducing the Excise Duty on Heated Tobacco Products – Cabinet Material https://www.healthnz.govt.nz/health-topics/keeping-healthy/smoking-and-vaping (アクセス日:2026年3月27日)
11 ノースカロライナ州税務局(North Carolina Department of Revenue) 「修正リスクたばこ製品に関する情報(2020年7月20日発効)」 https://www.ncdor.gov/documents/files/information-regarding-modified-risk-tobacco-products-effective-july-20-2020/open (アクセス日:2026年3月27日)